コエンザイムQ10の効果

高麗人参とコエンザイムQ10

コエンザイムQ10には、「うっ血性心不全」という心疾患の治療薬として使われていた歴史があります。
2001年に食品成分としての認可が下りて以降、サプリメントなどに配合されるようになっても、心臓のポンプ機能を高め、血行をスムーズにする効能を引き継いでいます。
また、高い抗酸化作用を持つために血管の酸化を防ぎ、全身の血液循環をよくする効果も期待できるのです。
同じように抗酸化作用を持ち、血行改善の効果が見込める成分を含むものとしては、高麗人参が挙げられます。
この記事では、高麗人参の特徴や、高麗人参とコエンザイムQ10の飲み合わせについてご紹介します。

高麗人参とは

高麗人参とは、オタネニンジンとも呼ばれる、ウコギ科の薬用植物の根を乾燥させた植物です。
ニンジンという名がついていますが、セリ科の植物である食用のニンジンとは異なり、中国東北部から朝鮮半島にかけて比較的寒く、乾燥している地域に自生している多年草です。
手のひらの形に似た緑色の葉の植物で、白い根を大きくしていく特徴があり、この根の部分が、古来東洋では滋養強壮剤として知られ、現在ではサプリメントなどにも配合されています。
花と実の部分よりも、根の部分に有用成分がバランスよく含まれているのが特徴で、根の形が人体に似たものほど一般的に高品質とされています。

高麗人参に含まれる「サポニン」とは

高麗人参の特徴は、「サポニン」と呼ばれる成分が多く含まれている点です。
サポニンは植物の根や葉、茎などに含まれている苦味成分で、特にマメ科の植物に含有量が多いといわれています。
高麗人参に含まれているサポニンは、特に「ジンセノサイド」と呼ばれていて、この有用成分が含まれているために、高麗人参には高い抗酸化作用があるといわれているわけです。
その作用によって期待できる効果には、血栓予防や血行の改善、新陳代謝の促進などが挙げられます。

高麗人参の種類

高麗人参は産地や栽培年数によって1年根から6年根までの6等級に分かれていて、6年根が最も高品質とされています。
その種類は、加工法によって「水参(すいじん)」「白参(はくじん)」「紅参(こうじん)」の3つに分類されます。
「水参」は、1~2年ほどで収穫された生のままの高麗人参を指し、水分の含有量が全体の8割近くになることから「生参」と呼ばれることもあります。
傷みが早く冷暗所で保管する必要があるため、あまり長持ちしないのが特徴で、特に加工されないものは料理用として使われます。
「白参」は、4年根から5年根の水参の皮をむいて天日で乾燥させたものを指し、1年ほどの保存が利きます。
高麗人参には表皮付近にジンセノサイドが豊富に含まれていますが、白参は皮を剥いて加工するため、紅参と比較すると作用が劣るとされています。
「紅参」は主に6年間栽培した6年根の高麗人参の中から、さらに厳選されたものだけを使用するのが特徴です。
白参のように皮を剥かずそのまま蒸気で蒸したあと、水分量が14%以下になるように乾燥処理を施します。
蒸して干すという工程を踏むために赤く色づくため「紅参」と呼ばれ、長期の保存が利くことになるわけです。
また、高麗人参の質の良否は、ジンセノサイドの含有量の多さで決まる点も特徴です。
もともと6年根には、ジンセノサイドが理想的なバランスで豊富に含まれているといわれています。
紅参に施される加工処理によって、有用成分やその他の栄養素がさらに凝縮されるといわれ、煎じたときに有効成分が溶け出しやすいというメリットにもなるのです。

高麗人参とコエンザイムQ10との飲み合わせ

前述のとおり高麗人参には、有用成分のジンセノサイドが含まれているために、抗酸化作用などの働きがあります。
また、コエンザイムQ10にはミトコンドリアのエネルギー生産を活性化する働きのほかに、活性酸素の攻撃から細胞を守る抗酸化作用を備えています。
さまざまな生体成分と反応する活性酸素は、細胞膜の不飽和脂肪酸を酸化させ過酸化脂質を生み出したり、遺伝子と反応し分解や突然変異を起こしたりします。
結果として、老化の促進や動脈硬化、発ガン性物質の発生などを招く原因となるわけです。
コエンザイムQ10のもつ高い抗酸化作用は、血液中のLDL(悪玉コレステロール)の酸化を防ぎ、血管の弾力性を保つ効果が期待できます。
すると心臓や脳をはじめ、全身に必要な血液を循環させることができるのです。
ともに同じような作用をもつ高麗人参とコエンザイムQ10は、同時摂取が可能です。
この2つを同時に摂ることによって、疲労を回復したり活力を高めたりする効能が得られるとされています。
また、体内の酸化を強力に防ぐ相乗効果が期待でき、生活習慣病などの予防も見込めるといわれています。

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